不動産用語集
は
- パース
- 建物の外観や内部を立体的に書いた透視図(Perspective)のこと。完成予想図を描くのに用いられる。
空間のイメージがわかりやすいように、人や物、風景なども併せて書き込まれることが多い。
- パーテーション
- 部屋の仕切りや間仕切り壁のこと。壁だけでなく、収納家具を間仕切りにすることもある。
- 媒介契約
- 宅地または建物の売買、交換または貸借のなかだち(とりもち)を宅建業者に依頼する契約のことをいう。
宅地または建物の売買または交換等をしようとする場合、自分の希望する条件(価格、引渡し時期等)に合った適当な相手方を、広い範囲から探し出すことは極めて困難である。
そこで、これらの取引をする際に、両者の間をとりもつことを専門としている宅建業者に、取引の相手方を探すよう依頼することになる。
このときの依頼契約を媒介契約という。
宅建業者は、宅地または建物の売買または交換に関する媒介契約を締結したときは、後日、媒介契約の存否、内容、報酬等をめぐって紛争等の生ずるのを防止するため、遅滞なく、一定の契約内容を記載した書面を作成し(媒介契約の内容の書面化)、依頼者に交付することが義務付けられている(宅建業法34条の2)。
一般 媒介契約 依頼者は、複数の宅建業者に重ねて媒介を依頼できる。
依頼した先を明らかにする場合(明示型)としない場合(非明示型)がある。
専任 媒介契約 依頼者は、複数の宅建業者に重ねて媒介を依頼することができない。
依頼者自身が買い手を見つけて成約した時は、契約を交わしている宅建業者に営業費用などを払う。
専任媒介契約を受けた宅建業者は、売却物件を不動産流通機構に登録し、積極的に販売活動を行い、2週間に1回以上の割合で販売活動の様子を依頼者に報告する義務がある。
専属専任媒介契約 依頼者は、媒介を依頼した宅建業者が探した相手以外とは契約を締結できない。
専属専任媒介契約を受けた宅建業者は、売却物件を不動産流通機構に登録し、積極的に販売活動を行い、1週間に1回以上の割合で販売活動の様子を依頼者に報告する義務がある。
- 配偶者控除
- 結婚してから20年以上経っている夫婦が、夫婦間で居住用不動産を贈与したり、居住用不動産を購入するための資金を贈与する場合に、基礎控除(60万円)のほかに認められている2000万円の控除のこと。
居住用不動産を贈与する場合には、贈与を受けた翌年の3月15日まで居住用として住み、購入資金を贈与する場合には、その資金で翌年の3月15日までに居住用不動産を購入し、住んでいることが条件となる。
どちらの場合もその後も引き続き住む見込みがなければならない。
この特例を受けるためには、贈与を受けた翌年の3月15日までに税務署に申告する。
- 売買
- 当事者の一方が財産権を相手方に移転することを約束し、相手方がその代金を支払うことを約束する契約をいう(民法555条以下)。
賃貸借とともに、不動産取引において最も重要な役割を営む契約のひとつである。
不動産の売買では売主は目的物を引き渡したり、所有権移転登記や農地売買で必要な知事に対する許可の申請等に協力する義務を負う。
買主は代金を支払う義務を負うが、通常の売買契約では売主から所有権移転登記、およびその引渡しを受けるのと引き換えに支払うこととなり、またそのように約束されている。
なお、宅地建物の割賦販売等については、宅建業法、積立式宅地建物販売業法により、いわゆる消費者保護のための規制が加えられている。[→同時履行の抗弁権]
- ハイサッシ
- 高さが天井近くまである大きなサッシのこと。
リビングに設けられることが多く、採光、通風、眺望にすぐれる。
開放感があり、部屋も広く見える。
- パイプスペース
- 上下水道管等の配管スペースのことで、間取り図では「PS」と記される。
マンションでパイプスペースが寝室近くにあると、深夜や早朝の排水音が耳ざわりになることもある。
パイプスペースの中に電気や水道、ガスなどのメーターを集めたメーターボックスが収められる場合もある。
- ハウスコントロールシステム
- 家庭内に設置されているエアコンや照明器具などを集中的に監視・制御し、室温や湿度、照明の自動調節などを行うシステムのこと。
ホームセキュリティやテレコントロールを含めた総称として使われることもある。
- はじめてマイホーム加算
- 公庫融資を使う人で、初めて住宅を購入する人の基本融資額を300万円割り増す制度のこと。
(1)前年の年収が給与収入で1442万1053円以下(給与収入のみ以外の人で1200万円以下)
(2)現在、公庫融資を返済中でないこと
(3)申込日以前1年間を通じて、借家等に住んでいたこと、等の要件を満たさないといけない。
住宅の主な要件は、専有面積125m2以下のマンションであることなど。
- バスタブ
- 浴槽のこと。材質にはホーロー、ステンレス、人造大理石、FRP、タイル、木などがある。
大きさは、肩までお湯につかれるが足を伸ばせない和風タイプ、足はゆっくり伸ばせるが寝ころばないと肩までお湯につかれない洋風タイプ、その中間の和洋折衷タイプがある。
- 爆裂(ばくれつ)
- 鉄筋コンクリート造の建物の鉄筋が腐蝕して膨張し、鉄筋を覆っていたコンクリートにひび割れを発生させ、ついにはコンクリートを脱落させてしまう現象を爆裂という。
コンクリートはアルカリ性なので鉄筋の錆の発生を防止しているが、コンクリートの中の砂に海砂を使うとナトリウムイオンのため、内部の鉄筋に錆が発生してくる。
また、骨材が不良であればアルカリ骨材反応を起こして、ひび割れが発生し、鉄筋の腐蝕膨張が爆裂となる。
爆裂の発生を防ぐには、まず鉄筋を錆から守ることが大切である。
砂と砂利の品質管理を十分に行って、かぶり厚を十分にとって密実なコンクリートを打設することが重要である。
- 破断(はだん)
- 最も一般的なのは、屋上露出防水層が下地コンクリートの動きに追随できなくて破断して雨漏りを起こす場合である。
下地コンクリートの熱挙動を和らげるために穴あきルーフィングを用い密着工法を避けるとともに、ストレッチルーフィングをアスファルトで接着して耐力の増強を図る必要がある。
破断箇所の修繕には、収縮追随性のあるシーリング材を用いてクラックを充填し、その上からゴムアスファルト等で補強しておく方法が一般的である。
- ハッチ
- キッチンとダイニングの間に設けられる配膳用の開口部など、両側から物の出し入れができる間仕切りのこと。
- パティオ
- スペインの南部に多く見られる中庭のこと。
床にタイルを張ったり、噴水を設けたり、インテリアとの関連性が強い。
マンションにもパティオ風の中庭を作るところが増えてきている。
- パネル工法
- 床、壁、天井をパネルとしてあらかじめ工場で製造し、現場で組み合わせて建築する工法のこと。
木質系、鉄骨系、コンクリート系がある。
- パネルヒーティング
- 床や天井などに埋め込んだパネルを加熱し、輻射(ふくしゃ)暖房する。熱源は、電気とガス(温水)の二通りの方法がある。
- 幅木(はばき)
- 床との継ぎ目にあたる壁の最下部に取り付ける横木のこと。
床掃除などで傷みやすい部分を保護するために設置される。幅木の素材には、木だけでなくプラスチック製のものもある。
- 破風(はふ)
- 和風建築で、切妻屋根や入母屋屋根の端に付けられた山形の部分、またはその形を作る板のこと。
- パラペット
- 建物の屋上などの外周部に設けられた低い壁のこと。
墜落を防いだり、防水効果を高めるために取り付けられる。
- パラボラアンテナ
- 衛星放送を受信するために必要なお皿のような反射鏡を使ったアンテナのこと。
- 梁(はり)
- 柱の上に渡し、屋根を支える構造材のこと。
木造の場合、2階の床を支える「床梁」と、小屋組みを支える「小屋梁」がある。
鉄骨造や鉄筋コンクリート造の場合も、梁は木造と同じ役目を果たすが、壁式構造で作られた建物は、耐力壁と床で構成するため梁はない。
ラーメン構造で作られた建物は、天井面の出っ張りとして梁が現れ、その出っ張りが大きいと圧迫感を与えることがある。
そのため、梁の出っ張りをなくしたり、小さくする工法が開発されており、アンボンド工法や逆梁工法が採用されるようになってきた。
- バリアフリー
- Barrier Freeで、障害者や高齢者などが生活する上で障壁(バリア)となる部分を取り除くこと。
具体的には、室内の床の段差をなくしたり、廊下や階段に十分な幅をもたせたり、手すりを設置するなど。
公庫融資で最も低い基準金利を適用する住宅の技術基準では、バリアフリーが条件の一つとなっている。
- バルコニー
- 2階以上の住戸の外壁から、外にせり出して作った屋根のない手すり付きの露台のこと。
上階に同様のバルコニーがあれば、それが屋根代わりになる。
分譲マンション(区分所有建築物)では、バルコニーは共用部分にあたるため、住戸の居住者が専用的に使用できるものの、改造を加えたり、物置を置いたりしてはいけない。
ひ
- PC造
- Precast Concrete造の略で、「プレ」は前もって、「キャスト」は鋳型にはめて製造することをいい、工場であらかじめ鉄筋コンクリートパネルを製造し、これを現場で組み立てて構造体をつくる工法で建てられた構造。
コンクリートパネルは工場で製造されるので、現場での工期がいわゆる現場打ちに比べて大幅に短縮できるとともに、狭い現場にも対応できる点が特徴。
- P・P分離
- Public(LDKや客間など公的な空間)と、Private(寝室や浴室、洗面所など私的な空間)を離して配置した間取りのことで、頭文字をとってこういう。
来客時に家族の私的空間を見られない。
- 火打ち材(ひうちざい)
- 木造建物で、直交する水平の部材に対して斜めに入れる補強材のこと。「火打ち梁」「火打ち土台」などがある。
- 火打ち梁(ひうちばり)
- 梁(はり)と桁(けた)、大梁と小梁など、直交する横架材が変形しないように補強するために、縦方向と横方向の接合部に斜めに入れる部材のこと。
- 日影規制(ひかげきせい・にちえいきせい)
- 中高層建築物によって近隣の敷地に生じる日影を一定時間内に抑えて、近隣の日照を確保するための建築基準法上の規制のこと。
地方公共団体が条例で指定する区域内にある一定の高さ以上の建築物が、冬至の日の午前8時から午後4時まで(北海道のみ9時から3時まで)の間、その場所に一定時間以上続けて影を生じないように建物を計画することを義務付けたもの。
- 光天井(ひかりてんじょう)
- 天井全面に乳白色のガラスやプラスチック板を張るか、光をやわらかく通すルーバーで光源をカバーする照明方式のこと。
- 引き戸
- 障子や襖のように、左右に引き動かして開け閉めを行う扉のこと。
観音開きの扉に比べ、開放時に必要なスペースが小さくてすむ。台所や洗面室など、狭い部屋の扉として採用されることが多い。
- 引き渡し
- 完成した建築物の所有権を工事請負業者から建築主へ、売買契約が成立した建築物の所有権を売主から買主へ移転すること。
- ピクチャーウインドウ
- はめ殺し窓の一種で、外の景色を見ることを目的として設置されることから、こう呼ばれる。
形は大きな長方形のものから、丸や半円形のものなどさまざま。
- ピクチャーレール
- 額縁や書画を飾る際に、クギを打って壁に穴をあけなくてもすむように、額縁などを吊るすためのフックを取り付けたレールのこと。
- ひな壇
- ひな人形を飾る台のような階段状になった造成地のこと。
南に面していると、すべての住宅の日当たりがよくなり、高い位置や角地にある住戸の眺望はよくなる。
ただし、傾斜が急になるほど、上り下りがきつくなる。
- 評価替え(固定資産税)
- 固定資産の価格の評価基準を見直し、適正な時価となっているか確認すること。
各市町村が固定資産評価基準に基づいて実地調査を行い、市町村長が決定する。
原則として、3年ごとに行われるが、本来据置き年度である平成13年度、14年度に地価の下落が認められる場合には、価格修正が可能になっている。
- 表示登記
- 不動産登記簿の表題部(不動産登記法16条2項)になされる登記をいう。
土地については所在、地番、地目、地積(同法78条)、建物については所在、家屋番号、種類、構造、床面積等(同法91条)が表示される。
これらを登記簿に記載することによって、不動産の客観的現況をそのまま公示し、権利に関する登記が正確かつ円滑に行われることが期待できる。
表示登記の申請人は原則的にはその所有者(所有権登記名義人)である(同法25、80、93条)が、表示については職権主義がとられ(同法25条の2)、登記官に実地の調査権がある(同法50条)。
これは、登記に際して、登記所に出頭を要しないこと(同法26条2項)とともに権利の登記との大きな違いである。
- ピロティ
- マンションの建物1階に住居をつくらず、エントランスホールや郵便受け、駐車場、駐輪場などとして活用する場合、この1階部分をピロティと呼ぶ。
ピロティはもともと実用面よりも、見た目の軽快感や新しさを出すというデザイン効果を求め、20世紀に入ってから使われ出した手法。
しかし、建物が交通量の多い道路に面している場合などは、実用面での効果も小さくはない。
ふ
- 風致地区
- 地域地区の一つ。
都市に見られる自然的な景観を維持するために、建築物の建築や宅地の造成などに基準を設け、都市計画法で特に定めた地域のこと。
- フーチング
- 建物の基礎にかかる荷重を分散するため、基部を幅広くしたもの。
- 吹付けタイル
- タイルのような光沢のある仕上がりにする、樹脂系の吹付け材のこと。
ひび割れしにくく、水洗いもできる。
- 吹抜け
- 2階以上の建物で、階をまたがって上下に連続している空間のこと。
玄関やリビング、階段部に吹抜けを設けることが多い。
- 輻射暖房(ふくしゃだんぼう)
- 床や天井を加熱し、そこからまわりへ放射することによって伝わる熱(輻射熱)によって快適な暖かさを得られる暖房のこと。
部屋全体が暖まり、室温の上下差が少ない。
床暖房も輻射暖房の一つ。
- 復代理人
- 売主から代理権を得た代理人(不動産会社など)から、さらに専任された代理人のこと。
復代理人は代理人と同じ代理権を持ち、売主に代わって住宅等を販売することができる。
- 袋地(ふくろじ)・準袋地(じゅんふくろじ)
- 他の土地に囲まれて、公の道路に出られない土地のことを「袋地」、池や沼、河川、海洋を利用しないと他の土地に通じないか、崖岸があって土地と公の道路との間に著しい高低差がある土地を「準袋地」という。「無道路地」ともいう。
このような土地の所有者は、公の道路に出るために他人の土地を通行できる権利(「囲繞地通行権」(いにょうちつうこうけん))を持っている。
- 普通借地権
- 平成4年8月1日に施行された新借地借家法で改正された借地権の一つ。
契約更新のない「定期借地権」に対して、賃貸借契約の期限がきても、地主の側に土地を返してもらう正当の事由がなければ、借地人が望む限り自動的に借地契約は更新されるというもの。
借地権の存続期間を当初30年とし、更新すると第1回目のみ20年、以後10年とする。
また、契約終了時に、地主に建物の買い取りを請求することもできる。
- 不動産鑑定評価
- 不動産鑑定士・不動産鑑定士補が土地、建物等の所有権または所有権以外の権利の経済的な価値を鑑定し、価格で表示すること。
- 不動産取得税
- 新しく不動産を取得した時に、1回だけかかる地方税のこと。
土地・建物の購入、建築、増改築、贈与などが課税の対象となる。
マイホームの場合、一定の条件を満たすと軽減措置が受けられる。
税額 軽減措置
土地 (評価額×1/2×4%(税率))×3/4 (評価額×1/2×4%)×3/4から、
次の(1)(2)のうち、多い額を控除
(1)4万5000円
(2)1m2あたりの土地の評価額×1/2×建物床面積の2倍(200m2が限度)×4%×3/4
建物 評価額×3%(税率)
(建物評価額—控除額1200万円)×税率3%=税額
建物評価額から住宅の建設時期に応じて一定額を控除して左記計算式
軽減措置を受けるための主な要件
新築住宅
土地 下の条件に合う住宅を建てる土地で、以下のいずれかを満たすこと
●取得してから3年以内に、その土地に住宅を新築した時
●借地に住宅を新築してから1年以内に、その土地を取得した時
●未入居の自己居住用の土地付き住宅を取得した時
建物
●床面積が50m2以上240m2以下
中古住宅
土地
下の条件に合う住宅が建っている土地で、以下のいずれかを満たすこと
●取得してから1年以内に、その土地の上にある中古住宅を取得すること(最初に底地を買った場合)
●借地上の中古住宅を取得してから1年以内に、その土地を取得した時
建物
① 床面積50m2以上240m2以下
② 木造は築20年以内、鉄筋コンクリート造などは築25年以内
③ 買主が自宅として使用すること
- 不動産の表示に関する公正競争規約
- 不当景品類および不当表示防止法10条の規定に基づき公正取引委員会の認定を受けて、不動産業界が設定した不動産の取引に関する広告その他の表示に関する自主規制基準。
同法4条(不当表示の禁止)の解釈基準のひとつとして取り扱われる。
昭和38年東京地区に設定され、現在、北海道、東北、首都圏、東海、北陸、近畿、中国、四国、および九州の9地区に設定されている。
- 不動産流通機構
- 宅建業者の間で、物件情報を広く交換し、契約の相手方を迅速に見つけるためのシステムとして、平成2年に発足した制度で、建設大臣によって指定されている。
専属専任媒介物件、専任媒介物件は、不動産流通機構への物件登録を義務付けられている。「指定流通機構」ともいう。
- 不同沈下・不等沈下
- 地盤や建物の基礎が場所によって異なる沈下をするために、建物にひびが入ったり、建物が傾いたりすること。
主に、基礎の地盤が不均一で不安定だったり、建物の支持地盤の中に柔らかい粘土層があったり、造成の状態が悪かったりするために起きる。
- 踏み面(ふみづら)
- 階段で足が乗る平らな部分のこと。建築基準法で15㎝以上と定められているが、20㎝前後だと上りやすい。
- 不動産鑑定士(補)
- 国土交通省が毎年実施する不動産鑑定士試験の一部に合格し、国土交通大臣への登録を受けた者を不動産鑑定士補と言う。
不動産鑑定士補の登録を受けるには、不動産鑑定士試験の2次試験に合格し、2年以上の実務経験があることが必要である。
不動産鑑定士補は職務上高度な倫理が求められるので、法律(不動産の鑑定評価に関する法律)の規定により、故意に不当な鑑定評価をした場合には、登録抹消などの厳しい懲戒処分が行なわれる。
また不当な鑑定評価をした疑いが生じた場合には、誰でも、知事または国土交通大臣に対して調査等を行なうように要求することができる(不動産の鑑定評価に関する法律第42条)。
- 不動産鑑定評価基準
- 不動産鑑定士等が、不動産の鑑定評価を行うにあたってその拠り所をなるもの。
現在の基準は、平成2年10月、国土庁長官に対し、土地鑑定委員会委員長より運用上の留意事項を付して、答申が行われ、平成3年4月1日以降全面的に適用されている。
基準の目的は、概ね次のとおりである。
①不動産鑑定士等が不動産の鑑定評価を行うにあたって、その拠り所となる実質的で統一的な行為規範を設定すること。
②これを公表することにより、不動産の鑑定評価およびその制度に関する社会一般の理解を深め、信頼を高めること。
③不動産の鑑定評価に関する法律の所期する不動産の適正な価格の形成に資すること。
- ブラケット
- 壁面に接するように取り付ける照明器具のこと。補助的な照明として使う。
- プラスターボード
- 壁や天井の下地に使う材料のこと。「石膏ボード」ともいう。燃えにくく、施工しやすく、安価なためよく使われる。
- プレイロット
- マンションの敷地内に設けられた幼児向けの遊び場のこと。
砂場やブランコ、すべり台など遊具が設けられていることが多い。
子どもに目を配るために母親たちが集まることも多いため、プレイロットの近くにパーゴラ(藤や蔦類をはわせた棚)が設けられたり、ベンチが設置されたりする。
- プレキャストコンクリート工法
- Precast Concrete工法のことで、略してPC工法と呼ばれる。
あらかじめ(プレ)、工場で型に入れて形を整えた(キャスト)コンクリートパネルを製造し、現場で組み立てる工法のこと。工期が大幅に短縮される。
- 不燃材料
- 通常の火災時に、燃焼や防火上有害なひび割れ、溶融、変形等を起こさず、かつ、防火上有害な煙やガスを発生しない材料のことで、防火材料のうちで、最も防火性能が高く、いくつかある防火材料の試験のうち最も厳しい試験に合格したものである。
建基法2条9号に規定された材料のほか、上記の試験に合格したものについて、建設大臣による不燃材料の認定が行われている。
代表的な不燃材料としては、コンクリート、モルタル、れんが、瓦、石綿スレート、鉄鋼、アルミニウム、ガラス、しっくい等がある。
- プレハブ住宅
- Prefabricated Houseの略で、工場であらかじめ(プレ)住宅またはその部材を製作(ファブリケーション)しておき、それを現場で組み立てる住宅のこと。
主要素材によって、木質系、鉄骨系、コンクリート系などがある。
現場で加工・施工する住宅に比べ、品質が均一で生産効率が高く、工期も短縮できる。
- フローリング
- 木質系の床材のこと。サクラ、ナラ、ブナなど広葉樹がよく使われる。
厚さ15〜18㎜、幅60〜100㎜程度の板材にして敷き詰める。主にLDKや洋室に使われる。
掃除がしやすく、カーペットに比べダニの心配が少ないことから人気が高い床材だが、遮音性能が高くないと下階に音が伝わりやすいので注意が必要。
フローリングの使用を禁止しているマンションもあるので、入居時やリフォームする時には管理規約を確かめること。
- プロムナード
- 敷地内に設けられた散策道のこと。
大規模マンションによく見られ、車を気にすることなく、ゆっくりと散策を楽しめる。
- 不陸(ふろく)
- 水平でないこと。面が水平でないこと。「ふりく」ともいう。
面に凹凸できると、凹部には水が溜まり汚れが沈殿するし、凸部は傷みやすく汚れやすい。
床面の水平は十分確保されていなければならないが、水を使う場合、水を流す必要のある場合などの床面は、水はけが確保されなければならないので適切な水勾配をとりながら、しかも凹凸のない床面の仕上げでなければならない。
また、部材相互の接合面が不陸であると、局部的に応力を集中して思わぬ破壊を生じることもある。
- 文教地区
- 都市計画で定める特別用途地区の一つ。
教育や研究、文化活動をする上で、環境の悪化をもたらす施設を作らないよう規制している。
主にはパチンコ店、バー、映画館、劇場、モーテルなどの建築を制限していることが多い。
- 分電盤
- 電気の分岐回路を作る開閉器。
漏電遮断器や配線用遮断器等を納め、保守点検しやすいように取り付けられている。
- 分筆・合筆(ぶんひつ・がっぴつ)
- 一筆の土地を分けてすう筆にすることを分筆といい、数筆の土地を合わせて一筆とすることを合筆という。
どちらも土地の物理的形状に関係なく登記簿上の所属籍を変更する人為的な処分である。
分筆・合筆の登記はともに所有者の自由な申請による(不動産登記法81条の2第1項)が、例外として、分筆については、
①一筆の土地の一部が別地目をなったとき、
②一部が地番区域を異にするに至ったときには、登記官の職権で分筆登記をすることを要する(同条第4項)。
合筆については、
①所有者を異にする土地、
②隣接しない土地、
③地番区域を異にする土地、
④地目を異にする土地、
⑤所有権および承役地で地役権の登記以外の権利登記のある土地(同法81条の3第1項)、
⑥所有権の登記のない土地と登記のある土地(同条第2項)については合筆登記はなしえない。
へ
- ペアガラス
- サッシにはめ込まれるガラスを2枚にして組み立てたもの。
「複層ガラス」ともいう。断熱性が高く、結露の防止にも役立つ。
さらに断熱性を高めるために、ガラス間にガスを注入したり、真空にすることもある。
- ペアサッシ
- 台形に張り出した出窓のこと。
窓が張り出している分、室内に広がりが生まれ、張り出した部分に花やインテリア用品などを飾ることができる。
外観のアクセントにもなる。
- 平面式駐車場
- 機械式駐車設備を使わず、平面を自動車を運転して出入りできる駐車場のこと。
- 壁面線(へきめんせん)
- 都市計画区域内で環境の向上を図るために、特定行政庁が建築審査会の同意を得た上で建築物の位置を整えることができる。このとき指定する壁面の位置を壁面線という。
指定後は、建築物の壁や柱だけでなく、高さ2mを超える門や塀を壁面線を越えて建築してはならない。
- 壁心(へきしん)
- 壁の中心線を結んで測った寸法のこと。
内法(うちのり)に比べ、壁の厚みの分だけ、面積は大きくなる。
分譲マンションのパンフレットに書かれた専有面積は壁心計算によるものが多く、実際に使用可能な面積はそれより少し狭い。
公的融資を受ける時は壁心による面積、税金の軽減措置に必要な要件は内法による面積なので、注意が必要。
- ベタ基礎
- 建築物の構造躯対から、地盤に応力を伝える建造物の支持構造。木造等の時は原則的に、耐力の強い「布基礎」(ぬのきそ)が望ましい。
布基礎は、縁の下にかかる力を地盤に伝え、上部からの力や地盤で不同沈下しないように、鉄筋で補強し、帯状の連続した構造となっている。
縁の下を持たない床を作る場合や、軟弱な地盤の上に作る基礎を「ベタ基礎」という。
地下水位が低い場合や床下からの熱もれを少なくする場合に使われる。
- ベランダ
- 住戸の外壁から外にせり出して作った露台のこと。
バルコニーとの厳密な差異はないが、一般的にベランダは1階に作られ、屋根があることが多い。
また、公社・公団の住宅では「ベランダ」を比較的よく使う。
- ペンダントライト
- コードやチェーンで天井から吊り下げる照明器具のこと。
シャンデリアのような全体照明用と、ダイニングテーブルの上に吊るすような部分照明用がある。
- 変動金利
- 民間金融機関で主に扱われる住宅ローンで、金融情勢の変化によって、返済途中で金利が変わるもの。
金利の見直しは年に2回行われるが、返済額は5年間変わらず、この間、返済額に占める元金と利息の割合が変わる。
金利が下がれば元金の割合が増え、支払い利息総額が減ることになる。
5年に1度、返済額を見直すが、新しい返済額はそれまでの返済額の1.25倍までなどと決められている。
公的融資の中では、財形住宅融資が変動金利制である。
- 変更登記
- 登記後に登記事項の一部に実体関係と不一致が生じた場合に、これらを一致させるためになす登記をいう。
変更登記には、不動産の表示変更登記(不動産登記法81条1項、93条の5第1項)、登記名義人表示変更登記(同法81条3項、93条の5第3項)、ならびに権利の変更登記(同法56条)がある。
権利の変更登記は、権利の内容の変更について当事者の共同申請によりするのが原則である。
この場合、実体法上および手続法上の利害関係人がいるときは、その者の承諾書またはこれに対抗できる裁判の謄本の添付を要し、この場合は附記登記による(同法)。
ただし、前記書面を添付できなくても、それが手続法上の利害関係人のみの場合は、既存登記に遅れた順位の主登記だけで変更できる。
登記の当初からその一部に錯誤または遺漏のあるときの訂正補完は、更正登記でなされる(同法63条、64条)。
- ペントハウス
- 欧米のマンションやアパートで、最上階に作られる特別仕様の高級な住戸のこと。
- 弁済業務
- 宅地建物取引業保証協会が、保証協会加入業者(社員という)と取引をした債権者に対して弁済を行うこと。
債権者は還付を受ける際に、保証協会の認証を得なければならない。
還付が実行されると、保証協会は還付額と同額の弁済業務保証金を供託する必要がある。
これにともない、社員は還付額に相当する額の還付充当金を保証協会に納付しなければならない。
ほ
- ボイドスラブ工法
- 床スラブに円筒状の穴をあけて中空にし、25〜27.5㎝くらいの厚さにする工法のこと。
スラブ厚に対する重量が軽くなり、強度や防音効果は高まる。
床全体で梁の役目も果たすため、天井が平面的になって、間仕切り壁を容易に変更できるようになるのもメリット。
- ボウウインドウ
- 弓形に張り出した出窓のこと。
- 防火構造
- 建物の外壁や軒裏について、建物の周囲で火災が発生した場合に、外壁や軒裏が延焼を抑制するために一定の防火性能を持つような構造のことである(建築基準法2条8号)。
このため、防火構造は一般に「外壁・軒裏防火構造」と呼ばれることも多い。
よく似た言葉として「耐火構造」「準耐火構造」があるが、「耐火構造」「準耐火構造」は建物内部で火災が起きた際にも、当該建物自体の倒壊や周囲への延焼を防ぐような構造を指している。
これに対して、防火構造は、建物の周囲で火災が起きたときに、当該建物が火災に巻き込まれないために必要とされる外壁や軒裏の構造のことである。
具体的には、防火構造の詳しい内容は告示(平成12年建設省告示1359号)で規定されている。
例えば木造建築物の場合には、その外壁において屋外側を鉄網モルタル塗り、屋内側を石膏ボード張りとすることにより、防火構造とすることができる。
- 防火地域
- 都市計画法に基づく地域地区の一つ。
市街地における火災の危険を防ぐために指定された地域のこと。
市街地や官公庁街など防火地域に建てる建築物は、規模に応じて十分な耐火性能をもっていなければならないとされている。
- 防蟻(ぼうぎ)
- 薬品の塗布など、木材に白蟻などの被害を防ぐ処理を施すこと。
- 防水パン
- 防水性の高い材料で作った排水口を持つ皿状の受け台のこと。
洗濯機を置くための防水パンを「洗濯パン」という。
- 法定代理人
- 法律の規定により代理人となった者をいう。
未成年者の両親(民法818条以下)、禁治産者の後見人となった配偶者(同法840条)のように、本人に対して一定の地位にある者が当然代理人になる場合のほか、父母が協議離婚の際に定める親権者のように、本人以外の者の協議により定まる場合(民法819条1項)、相続財産管理人のように裁判所によって選任される場合(民法918条)等がある。
法定代理人は、任意代理人と同様本人に対して善良なる管理者の注意義務および誠実義務を負うが、その権限(代理権の範囲)が法律または裁判所の命令によって決められる点、および本人との信任関係がなく復代理人を自己の責任で選任しうる点で任意代理人と異なる。
- 法定地上権
- 不動産の競売が行われた場合に、法律によって設定されたとみなされる地上権をいう。
地上権は、本来契約によって設定されるのであるが、その例外である。
同一所有者に属する土地、またはその上にある建物の一方について抵当権が設定され、それが実行された場合には、建物はその存立根拠を失ってしまうので、建物のために地上権が設定されたものとみなされるのである(民法388条)。
民事執行法81条も、強制競売について同様の定めをしている。
なお判例は、土地、建物の双方に抵当権が設定された場合にも、民法388条の類推適用を認めている(最高裁昭和37年9月4日民集16巻1854ページ)。
- 法令に基づく制限
- 不動産には、その使用、収益または処分につき公法上の制限があるのが通常である。
したがって、購入者等がこれらの法令上の制限を知らぬまま取引をして思わぬ損害を被らないように、宅建業界では、あらかじめ重要事項をして業者に制限の概要の説明を義務づけている(宅建業法35条1項2号)。
説明すべき制限は政令で定められているが、その主なものをあげると、都計法、建基法、国土法、農地法、土地区画整理法、宅地造成等規制法等に基づく制限がある。
- ポーチ
- 建物の屋根とは別のひさしを持ち、玄関から張り出している出入り口のこと。
マンションの場合のポーチとは門扉が付いたものが多く、ポーチを設けることで一戸建て感覚が強まり、共用廊下からの視線を遮るため、プライバシーを確保しやすい。
- ボーナス時加算
- 住宅ローンの返済方法で、毎月の返済分以外に年2回のボーナス月には一定の額を加算して返済をすること。
公庫融資では、ボーナス時加算の元金は、借入額の40%までというルールがある。
- ホームエレベーター
- 2階建て、3階建てなどの一般家庭に取り付けるエレベーターのこと。
高齢者や階段の上り下りが不自由な家族がいる場合によく設置される。
- ホームオートメーション
- 最新のエレクトロニクス技術を導入した家庭用管理システムのこと。
Home Automationの頭文字をとって「HA」ともいう。外部からの電話を使ってエアコンや電気器具のスイッチを入れたり切ったり、風呂の給湯を行ったり、異常があった時には警報を鳴らしたり連絡先へ通報したり、金融機関との決済をしたり、宅配ロッカーの開閉を行うなど、さまざまな機能が加わってきている。
- ホームコントローラー
- 電気に関する集中制御装置のこと。1カ所で室内全体の電気器具をコントロールできる。
- ホームセキュリティ
- ホームオートメーションの一部で、エレクトロニクス技術によって火災やガス漏れ、盗難などから住まいを守る防犯システム。
住宅内に取り付けたセンサーが異常を感知すると、警報を鳴らしたり、あらかじめ契約している警備会社などへ通報する。
分譲マンションでは各住戸の防犯装置と管理室の管理パネルが結ばれ、集中管理することが多い。
- 歩車分離
- 主に集合住宅のランドプランで、歩道と車道の進入口を分離して設計すること。生活空間の安全性を確保できる。
- 保証金
- 賃貸借契約時に賃借人から家主に支払われるもので、「敷金」と同じ意味合いをもつ。
関西では一部の地域を除き、「保証金」という場合が多い。退去時には、ここから敷引きがさし引かれて返金される。
- 蛍(ほたる)スイッチ
- 暗くてもスイッチの位置がわかるように、スイッチの部分が光っているもの。
廊下や階段、玄関、トイレなどに使われることが多い。
- 保存登記
- 狭義には不動産の先取特権の保存登記(不動産登記法1条)を指すとされているが、広義には、未登記の不動産について初めてなす所有権の登記も含まれる(同法100条)。
所有権の保存登記は、
登記簿の表題部に自己または相続人が所有者として記載される者
判決により自己の所有権を証する者
収用により所有権を取得した者
区分所有建物(マンション)については、表題部に記載された所有者の証明書により、その所有権を取得したことを証する者が単独で申請することができる。
なお、先取特権にあっては、先取特権者と債務者との共同申請により行う(同法26条1項、115条、119条)。
裁判所書記官から未登記の建物についての差押えの登記の嘱託があったようなときには、例外として職権で保存登記がなされる(同法104条)。
- 掘り込み式駐車場
- 住宅の敷地が前面道路より1〜3m高くなっている場合に、敷地の一部を掘り込んで周囲をコンクリートやブロックで固めて作った駐車場のこと。
シャッターを閉めれば、風雨や直射日光から車を守ることができる。
- ホルムアルデヒド
- 人体に有害な化学物質の一つ。
これが住宅に使われる仕上げ材や下地材、接着剤等に含まれていると、空気中に拡散し、新築後しばらくの間は、目がチカチカしたり、めまいや頭痛、皮膚障害などが起きる「シックハウス症候群」を起こす。
現在では、ホルムアルデヒドを含まないか含有量の少ない建材等の改良が進められている。
- 保留地
- 土地区画整理事業を実施した際に、事業主体が取得する宅地のことを「保留地」という。
土地区画整理事業では、事業が施行される区域内のすべての宅地は、従来の宅地所有者に交付される新しい宅地(換地)となるのが原則である。
しかし事業にかかる費用を捻出する等の目的のために、施行区域内の一部の宅地は換地とせず、その土地を事業主体が取得することができるとされている。
このような土地を「保留地」という(土地区画整理法第96条)。
保留地は将来的には事業主体が一般人に売却して、その売却代金を事業費用に充てることが多い。
- ボンエルフ
- 住宅地内の道路を走行する車がスピードを出せないように道路を蛇行させたり、道路に張り出して花壇を作ったり街路樹などを配置したりして道路の幅に変化をもたせること。
車は徐行運転をするため、歩行者や道路で遊ぶ子供の安全を守ることができる。